最終更新: 2026-05-09T02:12:54+00:00
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評論・エッセイ・読み物・その他【詳細情報】ダートムア再訪はわたしにとってある意味で「帰郷」と言っていいほどの意味を持っていた。しかし同時に頭のなかを吹き抜ける風にあおられながら、自分のほつれた感情にまつわる映像の断片がぐるぐると回転するのをわたしはいくぶんうとましくも感じていた。だれか故郷を思わざる。だがわたしの「故郷」はつねに現実の郷里とは別のところにあるとしか感じられない。ダートムアへの「帰郷」とは確かに日本に生まれた日本人としていかにも場違いな言い方ではあろう。あるいは、いっそそれこそ通俗的な観光客の心理にすぎないと言うべきなのかもしれない。つまりそれはトポグラフィカル・スノビズムであろう。いや言い換えればそれらの土地の景観を目の当たりにして、ほとんどそのつどデジャヴュつまり既視感と呼ばれるあの疎隔の感じと懐かしさとの混交した不思議な「感覚」。この不思議な感覚を追究すべく6篇のエセーが紡がれたのであった。・立野 正裕・版型:四六判・総ページ数:396・ISBNコード:9784779126772・出版年月日:2020/04/22【島村管理コード:15120240509】